酒一番(福岡・中洲)

博多には一度住んでいたことがあります。
20代の後半に3年間ほど。 
その頃、中洲には良く飲みに出ていたのですが、どうしても扉を開ける勇気が持てなかったお店が、明治通りから中洲大通りに入って、直ぐに右の小径に入ったところにありました。 
『酒一番』 
表に「安心して飲める店」と書いていたところで、絶対安心出来ない!なんて思っていた年頃。 
最近、博多に何度か仕事で来て、改めてお店を見てみると、そのお店が発している味というかオーラに気付いた訳です。 
このお店の扉を開ける事が出来る年になり、遂に開けてみることに。 
ネタケースには焼き鳥や秋刀魚が。 
定番メニューに短冊という構成で、壁にメニューが並びます。
良い雰囲気です。
ザ・酒場。酒一番というお店の名前にぴったりです。
焼き鳥は鉄板で焼いて出されるみたいです。
鉄板で焼く焼き鳥も、炭火とは違う良さがあるものです。
先ずはチューハイを注文。 
さて何にするかな。 
「みそなべ」ってメニューがあります。 
380円って書いてあるけど、なんだろう? 
聞いてみました。 
「湯豆腐のみそ味です。」って。 
博多名物のもつ鍋とかもありますが、みそなべが気になったので注文です。
後はいわしフライ。
みそなべ
思っていたよりボリューミーです。 
湯豆腐との説明でしたが、白菜に春菊に蒲鉾に。 
豪勢なお味噌汁な感じです。 
〆の逸品なのかもです。
モツ鍋について聞いてみると、 
「みそなべより一回り大きい鍋になりますが、お一人で食べられる量ですよ。1人前から出しますよ。」ということでした。 
いつかモツ鍋も味わってみたいものです。 
いわしフライ
アジフライをメニューに見なかったな。 
そう言えば、鯵のフライって九州では余り見なかった気が今ではします。 
アジフライの形とは違い、シュッとした感じです。 
いわしフライも美味しいです。
隣のお客さんはお一人客で、しこたま飲んだのか色々と注文する物の質問をしていましたが、店員さんは笑顔で対応されていました。 
『安心して飲める店』と言うお店の文句に嘘はなかったです。 
いや、味があるお店です。 
あの頃、お店の扉を開ける事が出来ていれば、もしかしたら何かが変わっていたかもしれないな。 
そんな事を思うお店です。 
まあ、別の場所で、何かが変わった(年を経ただけかもですが)からここにいるのかもしれません。 
芋焼酎のロックを頼む流れで店員さんに、お店の事を聞いてみたら、 
「51年目だったかしら?東京オリンピックの頃からやってるんじゃなかったかな・・・。ねえ何年目だったっけ?」と女将さんっぽい人に聞いています。 
51年!半世紀です。ある意味老舗です。 
「そうね。うちは昭和38年からやっているから、もう50年だね。」と女将さんが話に来てくれました。
良い雰囲気のお店だった。
ごちそうさまです。
「1190円」って、えっ?
安すぎないですか?
300円平均で4品ならそうなるのかな?
千ベロって今まで出会ったことないけど、これがそうか・・・。
本当に色々な意味でいいお店です。
コスパも良いとは。
また、機会があったら来てみよう。