鳥房(立石)

ふと思い立って、夕方、立石に行ってみました。

鳥房の鳥の唐揚げが食べたいなと。

結構並んでいるのかな・・・。
京成線の京成立石駅を降りて、仲見世通りの反対側のメイン通りに、唐揚げの店頭販売のお店があります。
店構えはかなりの風情。

その横の路地を入っていくと、食事ができるお店があります。

少し時間が遅いせいか、行列も無く、すぐ入れそうです。
聞いてみると、
「会計している人達がいるので、少し待って。」って。

暫く待つと、席へ通されました。

カウンターはいっぱいなのか・・・。
「ご新規さん、座入りの相席~。」
どういう区別かは解らないのですが、お店の中は、カウンターが6席位あって、座敷に5つ程のテーブル。
座敷の入り口に通されたので、座入りとは、「座敷への入り口」を指している様です。
少し話せるお店の人に聞いてみると、
「ここは座入り、こっちは座敷。」との事なので、明確に解れている様です。
「〇番テーブル」と呼ばれるよりは、風情はありますが、良く区別が付くものだと思います。

えっと、鳥の唐揚げは食べるとして、何頼もうかな・・・。

メニュー札の鳥の唐揚げには、『時価』と書いてあります。
時価と書かれているので、初めはいったいいくらするんだと、ちょっとビビりました。
「今日は、ロクヨン、ロクハチしか無いけど、どっちにする?」と、聞かれました。
「ロクハチで。」
ロクヨンは640円、ロクハチは680円を指します。
時価とは書いてありますが、どちらかと言うと「目方」です。
大きい方を注文。

このお店の唐揚げは鳥の半身なので、何度か揚げをしている様で、少し時間が掛かります。

なので、お酒と鳥のおつまみを注文して、チビチビやりながら待ちます。

お通し


鶏皮煮で生姜が効いています。
見た目からのコラーゲンでプルプル感が半端ありません。
美味です。
お通しだけでも良いのですが、鳥の料理がいくつかあるので、それも注文です。

鳥ぬた


ヌタリストとしては、外せないのです。
カラシ和えとかたたきとかも美味しいのですが、久々なのでヌタを注文。
酸味はあまりなく甘目のヌタ味噌です。

鳥南蛮漬


茹で砂肝を酸味の効いた南蛮ダレで漬けている様な感じです。
コリコリ感が良い。

座敷の1組が結構良い感じになって、騒いでいました。

「これからの若者の門出を祝って~!」と。
すると、お店のおばちゃんに、
「あんたらうるさいよ!もっと静かにしなさい!うちは飲み屋じゃないんだから!」と、怒られてました。
アルコールが出るんだから、飲み屋じゃないのかな・・・と、思いながら、日本酒をチビり。
行儀良くしないと怒られちゃうお店なのです。

気付かって貰ったのか、カウンターが空くと、

「カウンターに移る?」と、聞いてくれました。
そうですね。移りましょうか。
そんな事をしていると、表のお店の方から半身揚げが到着。

本当に半身なので、胸からモモから全ての部位が食べられます。

お店の人にお願いすると、食べやすい様に捌いてくれます。
割り箸と懐紙でチャチャっと手早く。
いつも思いますが、見事な手さばきです。

良く揚げられているので、背骨なんかも食べられます。

始めはちょっと味が薄いかなとも思いますが、食べていくうちにちょうど良くなっていきます。
何とも絶妙な塩加減なのです。
一度、テーブルの塩を使ってみた事がありますが、辛すぎになって困った事があるので、個人的な味追加はしません。
しない方が良いと思います。

唐揚げ半身。これを食べるともう入りません。

食べ終わって少しゆっくりしていると、お店の常連さんらしき人が、
「おまえんとこ、出るんか?アド街?」と聞いていました。
「帰って見ないと!」とも。
どうも、テレ東のアド街ック天国で京成立石が特集されるそうです。
この夜に。
そうか・・・。
丁度良かったな。思いついて。
テレビで放映されたら来ても入れなくなるから。
美味しかった。
ご馳走様です。

そうそう。このお店は、

「酔ったお客はお断り」なので、2軒目使いは出来ません。
酔ったと言うか、「ひとり半身食べる」がルールなので、「食べられないでしょ?」というお店の配慮に感じます。
飲み歩き・呑兵衛の聖地と呼ばれる立石で、1軒しか行けなくなる、特殊なお店と思います。色々考えると。

少しプラっと街を見て帰るか。

この『呑んべ横丁』の看板も味があるよな。
「のんべえ」じゃないところも、味のひとつかな。
テレビ放映のほとぼりが冷めたらまたくるか。