浅草へ買い物に出ました。
いろいろと思案しながら歩いていると、お昼時。
食事にするか。
さて、何か思いつくお店はないかな・・・。
そうだ。
仲見世の今半の前の路地に、いつ行ってもやっていなかったお店があったな。
タイミングが悪くて入れなかっただけなんだろうけど。
どうかな・・・。
でっかい幟で、「天丼がおいしい店」と書いてあって、気にはしていたのです。
『まさる」という天丼屋さん。
天ぷら屋さんではないみたいです。
あ。今日はやっている様です。
穴子天丼とか江戸前天丼とかとか、色々とメニューは店前に貼っています。
何が良いかな・・・。
悩みながらお店に入ると、お店の人が、
「おひとり?カウンターへどうぞ!」と、元気よく迎え入れてくれました。
お茶が出てきて、色紙を見せられました。
メニューが色紙とはお洒落だなと思って見ようとしたら、
「本日は、大入り江戸前天丼で用意させて頂きます。」って。
書いてあるのは1品のみ。
あれ、他に書いてあったメニューは無いのかな?
と、思っていると、
「宜しいですか?本日はこれだけの準備なんです。」と言う事でした。
これしかないなら、これを注文する他ないですよね。
「お味噌汁はどうしますか?」と聞かれたので、付けて貰いました。
1品しか準備していないのは、どういう事なのかな・・・。
じゃ、表のメニューに何かしてた方が良いんじゃないかな。と、考えていると、老婦人のひとり客が入って来ました。
「本日は大入り江戸前天丼での準備です。」と、同じ事を言われていました。
老婦人に大入りはきついのではないだろうか・・・。
「大入り」とは、「大盛り」の意と思うから。
老婦人は、
「表に書いてあった江戸前天丼は無いのですか?」と聞いていました。
「本日は、大入り江戸前天丼のみの準備なんです。他のメニューは大入り江戸前天丼が準備出来ない時のメニューでして。どうされますか?」との回答。
「それでお願いします。」と老婦人は返答していました。
色々とメニューが掲示してあるので、私みたいに悩んでお店に入る人も、量が少ないイメージのメニューにしたいと思うお客さんもいるでしょう。
自信の一品を提供するお店では、良くある事です。
とまぁ、その様な事を考えていたら、大入り江戸前天丼が出てきました。
「ふたが正面です。」と。
天ぷらが高く盛り付けられていて蓋が出来ない為、縦に丼の蓋が乗っていて、それが正面なのだとか。
立派な海老に、大きな穴子が目立ちます。
海老の頭の天ぷらも添えられているところを見ると、良い海老が使われているみたいです。
天ぷら自体がとても美味しい。
丼つゆは辛くも甘くもなく、丁度良い。
あ。これは変わったタネです。
稚アユがいました。
大入りって、大盛りって意味じゃなかったんだな。
豪華なタネが入っている天丼なんだ。
結構値段もするし。
でも、看板に偽りはありませんでした。
確かに美味しい天丼です。
なんか天丼じゃなくて天ぷらで食べたいなとも思いました。
ご馳走様でした。
美味しかったです。
あの老婦人が完食できる事を願います。
浅草を歩いていると、黄昏ている猫がいました。
世界猫歩きっぽく、猫目線でパチリ。
結構、良い写真家も。